マタイによる福音書


マタイ1621-28

 

イエス様は、ご自分がエルサレムに行って、多くの苦しみを受け殺され、3日目に復活することになっていると、弟子たちに告げます。すると、ペテロは、イエス様をわきへお連れして、「そんなことは、とんでもないことです」と言います。それに対してイエス様は、「サタン、引き下がれ。神のことを思わず、人間のことを思っている」と注意するのです。

 人間の思いにこだわることを罪と言います。自分は赦されているのに、いつまでも「私は赦されない人間なんだ」とこだわると、ますます、どろ沼にはまっていきます。それこそ、自分の思いに執着することでしょう。

 自分を捨て、自分の十字架を背負って歩いてきなさい、といいます。イエス様のために、苦難を背負って歩くことは、光栄なことなのです。自分のこだわっている物を捨て、すべてを捨てて、神さまに委ねる時、人知を超えた平安に支配されるのです。わずかな恵みでも、もらさないようにしたカナンの女性の信仰のように、わずかな恵みでも感謝し、歩んでゆきましょう。

 

・ペトロは、イエスの受難予告を聞いて、「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません」といさめ始めた。

・ペトロは、神さまの御心ではなく、自分の心を優先した。「あなたは、強い方です。あなたは、その権力によってローマ帝国の支配から解き放つ方です。あなたの強さに私は従ってきました。これからも、あなたの強さでどうにかしてください」と、言ったのでしょう。

・それに対して、イエス様は「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。神のことを思わず、人間のことを思っている」と注意されます。

 

・自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさいとは、自分の手ににぎりしめている言葉や物を捨てること。捨てた時に、「あなたは、かけがえのない大切な存在」という神さまの言葉が響いて来る。自分の執着から手を放し、わずかなもので感謝するときに、人は喜びにあふれることができる。