マルコによる福音書


聖書の言葉

14弟子たちはパンを持って来るのを忘れ、舟の中には一つのパンしか持ち合わせていなかった。 15そのとき、イエスは、「ファリサイ派の人々のパン種とヘロデのパン種によく気をつけなさい」と戒められた。 16弟子たちは、これは自分たちがパンを持っていないからなのだ、と論じ合っていた。 17イエスはそれに気づいて言われた。「なぜ、パンを持っていないことで議論するのか。まだ、分からないのか。悟らないのか。心がかたくなになっているのか。 18目があっても見えないのか。耳があっても聞こえないのか。覚えていないのか。 19わたしが五千人に五つのパンを裂いたとき、集めたパンの屑でいっぱいになった籠は、幾つあったか。」弟子たちは、「十二です」と言った。 20「七つのパンを四千人に裂いたときには、集めたパンの屑でいっぱいになった籠は、幾つあったか。」「七つです」と言うと、 21イエスは、「まだ悟らないのか」と言われた。(マルコ8・14-21)

 

黙想

パン種は、少しあっても、心の中で膨らみます。悪いパン種の一つとして、憎しみがあります。心の癌かもしれません。憎しみは最初は小さいですが、徐々に膨らんで、体全体にいきわたります。そして、憎しみは怒りとなつて、爆発してしまうのです。

 心のかたくなさも、悪いパン種の一つです。「絶対でこうであるべき」と生き方において決めてしまうと、それ以外の生き方をする人を否定してしまいます。神さまの前では色々な生き方があり、どんな人も大切なのに、「こうであるべき」と持ち出すのです。そうすれば、生きづらくなってきます。最初は小さいパン種かもしれませんが、体中に広まって、身動きがとれなくなるかもしれません。憎しみや、心のかたくなさを捨てて、パン種には注意して歩んでゆきましょう。